タンタルの採掘場所
タンタルレアメタルとは?
タンタルは地殻中に0.0002%しか存在しないレアメタルです。自然界ではニオブとともに存在しています。タンタルを含む鉱物はたくさんありますが、タンタル鉱物(Ta/Nb≥1)はあまり多くなく、主なタンタル鉱物は工業的価値のある(Fe、Mn)(Ta、Nb)2O6、FeTa2O6、(Na、Ca)Ta2O6、(Y、Ca、Ce、U、Th)(Nb、Ta、Ti)2O6です。
タンタル・ニオブ冶金の歴史
(1) 1801年、イギリスの化学者ハート・チェットがニオブ元素を発見。1802年、スウェーデンの化学者アンデルス・グスタフ・エクベリがタンタル元素を発見。
(2) 1865年、スイスの化学者マ・リニャックがタンタルとニオブの分別結晶化を発明。
(3) 1866年、高温で塩化ニオブを水素で還元し、金属ニオブを初めて得た。
(4)1903年、フッ化ナトリウムタンタル錯体系の還元により、可鍛性金属タンタルが調製された。
(5)1922年、溶融塩電解でタンタル粉末の製造に成功し、タンタルの生産が工業的規模に達した。
(6) 1944年にニオブの炭素還元法を発明し、ニオブの工業生産の基礎を築いた。
世界第1位、第2位のタンタル鉱山はオーストラリアに分布するウォッジーナ鉱山とグリーンブッシュ鉱山である。タンタルは主にタンタル鉱石、ニオブ鉱石、コルタンの中に存在するが、これらの他に同型状態の錫石の中にもタンタルが存在し、重要な資源となっている。錫石からタンタルを分離するのは非常に難しく、錫の製錬時に冶金スラグに混入する。鉱物資源の減少とタンタルの希釈に伴い、この種の錫スラグタンタル資源はタンタル原料の重要な供給源となっている。広西チワン族自治区、マレーシア、インドネシア、雲南、ビルマ、タイは錫鉱帯のタンタルが最も豊富で、タイとマレーシアはタンタル原料の重要な供給源である。
タンタル鉱物資源の減少に伴い、タンタル原料の供給がますます不足し、2つのタンタル資源の利用がますます重要になっている。現在、2つのタンタル資源の使用はタンタル原料の総供給量の約10%~20%を占めている。
世界のタンタル資源分布
希少金属タンタルとして、地球上の資源量は比較的少なく、他の金属に比べて、世界の実証されたタンタル資源は主にオーストラリアとブラジルに分布し、2つの資源埋蔵量は予想される需要を満たすのに十分である。オーストラリアは世界のタンタル埋蔵量の62%近くを占め、次いでブラジルが36%を占めている。
2015年に発表された米国地質調査所(USGS)のデータによると、世界には10万トン以上のタンタル埋蔵量があり、そのうちオーストラリアには6万7千トン、ブラジルには約3万6千トンある。タンタル資源は、米国、ブルンジ、カナダ、コンゴ(DRC)、エチオピア、モザンビーク、ナイジェリア、ルワンダに分布している。